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心地好い微睡みが身体全体を解して行く…
まるで浮き世が嘘のような幸福感を味わいながら眠り続け…
(―!!)
「ふっ!!」
「きゃっ!?」
ようとしたが、誰かが俺へ近付いて来た為に一瞬で意識を覚醒させる腕を掴んで組み伏せると、腰からバタフライナイフを引き抜いて首筋に突き付ける
「…動くな」
ナイフを構えたまま、相手を観察する
(…ん?)
白い和服に緋色の袴…いわゆる巫女服を着た黒髪の少女を確認すると、内心首を傾げる
(なんで巫女さんが…?
むしろ俺は昨日何処で寝たんだ…?)
若干まだ睡眠中の脳をフル回転させ、昨日の行動を思い出させる
(昨日知らない街に居て、厨二共に襲われたのを返り討ちにして…)
「…あ」
そこまで思い出した時、昨日の出来事全てを理解する
(偶々神社見掛けたんで野宿させて貰ってたんだった…!!)
寝惚けた思考と身体に染み着いた癖を呪いつつ、組み伏せた少女から退くと立ち上がらせる
「すまん、いつもの癖でつい…怪我は無いか」
「えぇ、大丈夫ですわ
少し驚いただけですので」
「いや、勝手に神社で野宿させて貰ってた俺が軽率だった」
若干時代錯誤な思考をした自分に赤面すると、少女に深く頭を下げる
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