あれ…カバディ、なんか震えてへん…?

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「しゃらくせぇんだよ!!」 力任せに拘束を引きちぎると眼前に迫る朱槍を哭の腹で受け止める 想像以上の威力に地面に足がめり込む感覚に、若干眉が寄るが知ったことか 「生ぬるいな…」 「っ、コイツっ…!!」 「そいつらの事は…世界中の誰よりも俺が一番知ってんだよ!!」 マーチングのバトンが如く哭を回転させながら朱槍を巻き上げ、天高く弾き跳ばす 「…!? まだよっ!!」 「ちっ!!」 即座に陣羽織を深紅から蒼に変え、馬上筒を発砲しようとするレイナーレに舌打ちをすると、側転で躱す 「貰ったわ!!」 「ばーか、そりゃ間違いだ」 続けざまに馬上筒を発砲しようと俺に向けてトリガーを引くが、それよりも速く腰から素早くナイフを引き抜くと銃口に投げ込む その刹那、強烈な閃光が走り爆音が上がる 銃口が塞がれた事によって内部で爆発したのだ 「くっ、銃が…」 「余所見とは…大した自信だ」 閃光に紛れ、地を這うように音も無く詰め寄ると石突で強烈な一撃を腹に喰らわせる 文句無しのクリーンヒットに、くの字に身体を曲げた体勢のまま、レイナーレは石ころのように吹き飛ぶと一回、二回と地を跳ねる 「…勝負あったな」 そう言って首筋に哭を当てる
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