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「うぉぉぉぉぉぉ!!
上級悪魔になる為じゃぁぁぁぁぁぁい!!」
「…本人はああ意気込んでいるが、そこの所はどうなんだ?」
校庭から自転車に乗って走って行く兵藤を窓から見送りながらグレモリー嬢に訊ねる
「それは神器持ちだし、本人次第で変わるわね…あのまま意気込みが続くなら、上級悪魔まできっと行けるわ」
「おやおや、意外とリアリストじゃないか」
「…それは私が世間知らずだと思っていたと受け取っても構わないのね?」
「いやいや…生まれた家柄が大きいと、それを自身の力だと勘違いする輩もいる…そのようなクライアントで無くて良かったと安心しているのだよ」
くつくつと笑ってグレモリー嬢の怒りを受け流すと、コーヒーを更に一口啜る
「時にグレモリー嬢」
「リアスと呼びなさい」
「失礼、リアス嬢…次からは兵藤の依頼に同行してもよろしいかな?」
「同行…?」
怪訝そうに首を傾げるリアス嬢…やはり大事な事を忘れているのか
「一応、兵藤は堕天使に命を狙われ、一度死んでいる」
「あっ」
そこまでで、合点がいったようにリアス嬢が手を打つ
「こちらには木場、塔城、朱乃嬢がいるのだ…護衛の必要も無いだろう?」
「ええ、じゃあ申し訳無いけど…イッセーをお願いしても良いかしら?」
「雇い主は貴女だ、リアス・グレモリー
俺はその命令に従うだけだよ」
申し訳無さそうなリアス嬢に微笑み掛け、すっかり冷めたコーヒーを飲み干す
「記念すべき初仕事くらいは1人でやれるんだ、アイツも満足だろう」
空のコーヒーカップをソーサーに置く音だけが、静かに響いた
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