撫で斬り

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リアス嬢に連れられて来たのは、荒れ果てた廃寺… しかも濃厚な血の匂いに眉を歪める 「なるほど、こいつぁヤバそうだな」 『主、この気配は…』 昌信の言葉が終わらない内に、廃寺の境内の扉が吹き飛ばされる 「おやおや…このような寂れた廃寺に何の御用で?」 中からフード付きの黒いロングコートを着こんだドレッドヘアの黒髪の優男が姿を現す 「なに、少し探してるヤツがいてな」 「ほう…尋ね者ですか」 「ああ、もう見つけたがな…」 そこまで言うとリアス嬢達を庇うように一歩前に出ると陣羽織の色を灰色へと変え、腰に現れた太刀の鯉口を切る 「リアス嬢…コイツが討伐対象だな?」 「ええ、アレがはぐれ悪魔『ザルディン』よ」 「…いつから気付いていた」 「ふん、僅かだが貴様から血の匂いがする…しかも大量の血がない交ぜになった濃厚な匂いがな」 「くっくっく…少しは楽しませてくれそうだな、人間!!」 次の瞬間、ザルディンの腹部から俺目掛け一本の槍がコートを突き破って放たれる 風を切る音が唸りを挙げ、一本の剛槍が俺へと迫る 『主!!』 「くだらん…」 即座に鯉口を切った状態の太刀に手を掛けると、穂先から槍を両断する 「なにっ!?」 「おいおい…出し惜しみをしていては貴様の命が散るぞ、悪魔だった異形よ」 「ほざけぇっ、人間!!」 抜いた太刀を肩に担ぎ、軽く挑発してやると、ザルディンは烈帛の気合いと共に下半身を獅子の身体に変え、両腕で二本の槍を構える 「俺はザルディン…我が神速の二槍に、仕留められぬ獲物は無い!!」 『クハハッ、神速とは外道がほざきやがる…殿っ、こいつは俺にやらせてくれねぇか!!』 ザルディンの言葉に反応し、力強い若い男の声が脳内に響く 「いいぜ、だがあんまやり過ぎんなよ…? 伊達成実!!」 『よっしゃあ!! 血が騒ぐぜぇっ!!』 俺の言葉に陣羽織が蒼く染まり、腰に馬上筒と太刀が出現する
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