364人が本棚に入れています
本棚に追加
/139ページ
(あまりやり過ぎんなよ、成実)
『分かってますって』
短い会話を交わし、成実に身体のコントロールを譲り渡す
「っしゃあぁぁぁぁぁぁ!!」
「…貴様、何者だ!!」
「クハハッ…俺か?」
ザルディンにニヤリと笑みを見せた成実は左手で馬上筒を抜くと、天に向けて引き金を引く
「我が殿、御津白夜の魂に宿る七将が一人…神速の騎士、伊達成実!!」
「伊達…成実…」
「おうよ三下、俺の前で神速を名乗るたぁ良い度胸だ、八つ裂きにしてやらぁ!!」
そう言うと縮地で間合いを詰め、ザルディンの頸を刈るように太刀を薙ぐ
「くっ!?」
「おいおい、それくらい余裕で避けてくれなきゃつまらねぇだろうが!!」
「ぐぁぁっ!?」
薙いだ右手とは別に、空いていた左手で馬上筒を引き抜いてザルディンの肩に充てると、そのまま馬上筒に火を噴かせて右肩を撃ち抜く
「ぐ、人間如きが…俺を舐めるなぁぁぁぁぁぁ!!」
「ハッハァ!!
そうだ、もっと抵抗してくれなきゃ張り合いが無い」
右肩を負傷するも左手の槍一歩で繰り出す突きの嵐を、成実は身体を捻り、時には太刀で捌き、また時には馬上筒で防いでザルディンの乱れ突きを、まるでダンスのステップを踏むように悠々と躱して行く
「おらっ!!」
「がぁぁぁっ!?」
そのダンスは、カウンター気味に放たれた成実の銃弾が、ザルディンの前右足を撃ち抜いた事により、終幕となった
最初のコメントを投稿しよう!