撫で斬り

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(あまりやり過ぎんなよ、成実) 『分かってますって』 短い会話を交わし、成実に身体のコントロールを譲り渡す 「っしゃあぁぁぁぁぁぁ!!」 「…貴様、何者だ!!」 「クハハッ…俺か?」 ザルディンにニヤリと笑みを見せた成実は左手で馬上筒を抜くと、天に向けて引き金を引く 「我が殿、御津白夜の魂に宿る七将が一人…神速の騎士、伊達成実!!」 「伊達…成実…」 「おうよ三下、俺の前で神速を名乗るたぁ良い度胸だ、八つ裂きにしてやらぁ!!」 そう言うと縮地で間合いを詰め、ザルディンの頸を刈るように太刀を薙ぐ 「くっ!?」 「おいおい、それくらい余裕で避けてくれなきゃつまらねぇだろうが!!」 「ぐぁぁっ!?」 薙いだ右手とは別に、空いていた左手で馬上筒を引き抜いてザルディンの肩に充てると、そのまま馬上筒に火を噴かせて右肩を撃ち抜く 「ぐ、人間如きが…俺を舐めるなぁぁぁぁぁぁ!!」 「ハッハァ!! そうだ、もっと抵抗してくれなきゃ張り合いが無い」 右肩を負傷するも左手の槍一歩で繰り出す突きの嵐を、成実は身体を捻り、時には太刀で捌き、また時には馬上筒で防いでザルディンの乱れ突きを、まるでダンスのステップを踏むように悠々と躱して行く 「おらっ!!」 「がぁぁぁっ!?」 そのダンスは、カウンター気味に放たれた成実の銃弾が、ザルディンの前右足を撃ち抜いた事により、終幕となった
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