364人が本棚に入れています
本棚に追加
(ん~…まぁ、試作品だが上出来と言ったところか)
消えたシスターのいた場所を見ながらぼんやりと評価を下す
「フリード、何ごっ…!!」
「おや?見た事のある面々だな」
「き、貴様は…!!」
「こんばんは、堕天使の皆さん方」
窓から飛び込んで来て、俺を見るなり身体を強張らせる堕天使…レイナーレ、カワラーナ、ミッテルト、ドーナシークの四人組に優雅に一礼をすると、床に伏したままのフリードを指差してやる
「お探しの人はアレかね」
「っ…!?貴方がやったの…!!」
「ご名答
ただし、その馬鹿が襲い掛かって来たのだから正当防衛だがね」
そう言って腰に差したナイフの柄をポンポンと叩いて見せる
「人間、1つ問うぞ…この人間の他にシスターがいた筈だ、その娘をどこへやった…」
「さて、な…」
「答えろっ!!」
不敵に笑いながら惚ける俺に業を煮やしたドーナシークが声を荒げて詰め寄る
「答えないと言うのならば…貴様を殺してでも吐かせてやるっ!!」
ドーナシークは右手を振りかぶると光槍を出現させ、俺の首筋に先端を突き付けて凄味を利かせる
「くくく…」
そんなドーナシークの姿に思わず笑い声が漏れる
「なにがおかしい…!!」
「勇ましいのは大変結構だ、堕天使さんよ…だが1つ、大事な事を忘れて無いかね」
「大事な事だと…?」
「あぁ、とても大事な事だね」
俺の言葉がいまいちピンと来ないのか、怪訝な顔をするドーナシーク…それがとても愉快で、俺は更に笑みを深めると、再び口を開く
「それはだな…」
そこで言葉を区切ると、陣羽織を出現させる
「貴様等が俺に喧嘩を売った時点で、お前達の命運は尽きてたって事だ…!!」
そう言って法力を体内に練り込むと、陣羽織が真紅に染まる
「武田赤備えの力、今こそ見せてみよ…山県昌景」
『御意に!!』
力強い声が脳裏に響き、右手に長槍が現れる
それを両手で握り直すと堕天使達へと槍を構え
「武田赤備え筆頭、山県昌景…いざ、参る!!」
神速の踏み込みと共に、槍を繰り出した
最初のコメントを投稿しよう!