神父×神父×神父

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槍を反転させ、石突でドーナシークの右肩を突いて間を開くと、それを一瞬で埋めるように力強く踏み込む 「おぉぉぉぉぉ!!」 「ぐっ…!!」 心臓、左肩、左腿に寸分違わず同時に繰り出された電光石火の三段突きに、反応が僅かに遅れたものの心臓への一撃を光槍で防ぎ、更に跳び退く事で浅く刺さっただけへと致命傷を免れる その反応を見た昌景は心底愉しそうに笑みを浮かべる 「今の一撃を躱すとは見事なり…!! ただ弱き者を虐げるだけの雑兵とは違うようだな」 「くっ…貴様は一体何者だ!!」 傷からの出血を手で抑え、少々怯えが混ざった声で俺を怒鳴り付ける 「某の名は先程名乗った筈だが…まぁ構わぬ、今再び名乗ろう」 槍を地面に突き立て、腰に差した采配を右手で抜き放つと頭上高く掲げ、大きく息を吸い込む 「やぁやぁ近からん者は刮目せよ、遠からん者は音に聞け!! 我こそは御館様が配下にして御津七将が1人、山県源四郎昌景なり!!」 まるで武士の一騎討ちの際に挙げるように高らかに名乗りを挙げると、槍を引き抜く 「己が欲望の為、人間を殺める外道の堕天使共よ…戦国最強と謳われた武田赤備えの名を恐れぬのならば、かかって来るが良い!!」 「さっきから聞いてれば人間風情が調子乗るんじゃ無いわよ!!」 「ええ、今のは聞き捨てならないわね」 「人間…不意討ちで傷を負わせただけで意気がるな!!」 「良いだろう…ならば教えてやろう、人間の力を!! この昌景、決して鴉風情が何匹来ようと斬り伏せてくれようぞ」 いきり立つ堕天使陣に大啖呵を切ってみせる昌景に少々苦笑を漏らす (まったく…あの戦馬鹿が) 『まぁまぁ、ここは私も山県殿の意見に賛成致しますよ ここは1つ、出鼻を挫く事であちらの動きを制限させるべきです』 (ブルータス、お前もか…) やんわりと昌景のフォローに回った昌信の言葉に、更に大きな溜息を漏らす 堕天使達…生きてれば良いが
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