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「ここはいいから!はやく」
刀と刀がぶつかる音が姫の声を打ち消したが、わずかに聞こえてきた
「は?何言ってんだ!」
この人数を一人でやると言うのか
そんなの不可能に決まってる
敵はざっと10人はいる
一人で相手をできるのは俺でも五人が限界だ
「聞こえなかったの?」
いくらつばき姫とうたわれて強いといっても所詮姫は女だ、勝てるわけがない
「死にたいのか?!」
「私は死なない、だから早く行って!」
そんな保証どこにあると言うんだ
「さっさと済ませるぞ!」
目の前から切りかっかってきた輩を一斉する
斬っても斬っても増え続けてるように感じた
「だめ!ここに残っちゃ!」
ちらりと姫の様子を見ると丁度一人目だろうか?斬り終えた所で返り血を浴びていた
返り血を浴びた姫はがっくりとうなだれていて動かない
どうしたのだろうか?
敵はうなだれた姫にチャンスとばかりに斬りかかる
「姫っーーー!」
ブシャーーーと肉と骨を裂く音が聞こえた
だがそれは姫が切り裂かれた音ではなく斬りかかった敵のものであった
「………姫?」
がっくりとうなだれていたはずの姫はゆっくりと顔を上げた
俺はその顔を見て驚いた
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