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足元に転がっている死体を無表情のまま見つめる
人を斬った感覚は全くといって覚えてない
気づいた時にはいつも血にまみれている
無惨に散らばった死体を見ていると見知った男の顔を見つけた
そこまでいって側に座り込み男の顔を見下ろした
男の乾いた目がこちらを見ていた
「だから言ったでしょ。あたしに関わったらこうなるの」
私は化け物だから
この手は壊す事しか出来ない
死体に話しかけたところで返事が返ってくるはずがない
少女はその場を去ろうと立ち上がった
「へー、君と関わったら死ぬの」
どこに隠れていたのだろうか男が出てきた
「……だれ」
「こんばんわ、つばき姫」
ニコッと笑った
年は少女と同じくらいかそれよりも少し上くらいだろうか
顔付きは暗くてよく見えないが白い肌、筋の通った鼻に切れ長の目でなかなか整っている
少女は男に構うことなく刀を抜いた
「あなたも死にたいの?」
「んー、それの逆かな?僕は先生の無念を晴らすまでは死ねないからね」
言い終わる前に少女は襲いかかっていた
男はいとも簡単に少女の刀をよけグサリ、と自分の刀を少女に突き刺した
「ふふっ」
そして笑いながら刺さった刀を抜いた
とどめなく自分から流れ出る血に少女は少し驚いた顔をした
だが指して気にする様子もせずにまた斬りかかろうとする少女に男が
「あんまり動かない方がいいよ」
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