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おかしい、窓は開いてないのに風なんか吹くはずがない
なんてな。俺は素早く懐に忍ばせていた刀を抜いた
その瞬間部屋に響き渡る金属音
ガギィーン
「おい、何するんだ」
俺を横切るように吹いた風の正体は今さっきまでここに寝ていた少女だった
少女は何も言わずただ俺を睨みつけている
きっとあと一歩反応がおそければあの世行きだっただろう
結構やるじゃねえか
どうやら噂は本当だったらしい
一人で少女の素早さに感心していると俺を睨みつけている少女がようやく口を開いた
「だ、れ?」
「安心しろ、俺はあんたを雇った主の直属の忍びと言った所だ」
少し安心したのか少女は刀を下ろす
それに伴い俺も刀を下ろした
「寝ているとこ起こしてしまってすまなかったな」
刀は下ろしたものの少女は殺気をむんむんと放出さしている
だがそんな事は今は、どうでもいい
久しぶりに強い奴を見つけた、という事に俺の鼓動は高鳴る
そしてこの少女は本物のつばき姫だと確信した
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