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◇◇◇◇◇生徒会会計 麻生 円
どんよりした気分で生徒会室のデスクで新歓後の処理を庶務のまこっちゃんみこっちゃんに手伝ってもらってまたため息吐いてーーーやっぱり思い出すのは昨日のこと
『保健医の新庄先生に保健室に居るよう伝えてください』
生徒会室で仕事してたら、寿さんから掛かってきた電話に意味も分からず職員室にその旨を伝えてーーー、今度はまこっちゃんの電話が鳴って…
『ーーーーーーーーーーー』
「副会長なら今出ていていないぞ?でもさっき保健医に用事があるような感じだったから保健室向かってるかもだけど…、どうかしたのか?」
『ーーーーーーーーーー!!』
「え…?あ…、玄人??」
「玄ちゃん、何だって?」
電話口から漏れる声に何事かと聞けば
「慌ててるみたいでーーー、『月夜が』って…切れた」
え?って3人顔見合わせて、詩朗君が何も言わずに走り出して急いでその後を追ってーーー
途中で迷子になってた玄ちゃんと一緒に保健室に雪崩れ込めば白衣の人とお静かに、ってギロリと睨む寿さんと…、腕組みして何か考え込んでる会長。そのオーラが殺気立つようにピリピリしてて。足が竦んでいると、横をすり抜けて玄ちゃんがカーテンの中に入って行って…詩朗君に続いて入ってーーー言葉を失った
ベッドで眠ってる月夜があまりにもーーー、クマの見える目元も血色のない青白い肌もそうだけど…。オーラが、心がグチャグチャで泣いてるみたいに震えていた。今にも消えてしまいそうな姿に皆動けなくて、隣の玄ちゃんは涙溜めてて…。大丈夫、眠っているだけです、って寿さんがなだめて。皆連れて静かにカーテンを閉めた
あんな月夜見ちゃったらそこを離れらんなくて…。非常勤保健医の新庄先生が文句言いながらも折りたたみ椅子とコーヒーを出してくれた
ソファに3年役員が揃って座るの見ながら先生が可笑しそうに笑ってーーー。何ですか?って睨む寿さんに噴き出しながら…
「悪ぃ…。その、お前らは相変わらず牽制してんだなって思ったら可笑しくて…。その姿、姫にも見せてやりたかったな」
「「「………」」」
無言の中に見せた反応に気付いてしまった…。それぞれの月夜に対する気持ち。切なくて苦しくて、愛おしいーーーって、想い…
いつの間に仲良くなってんの?こんなん相手が悪すぎじゃん…
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