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そう、今まで通り。親衛隊隊長伝いの『呼び出し』、隊員が総隊長に代わっただけのこと。それでも電話口で隊長の村崎は言い淀んで…、でも意を決したのか
『失礼を承知で申し上げます!その、諏訪ですが…、歴代の『総隊長』像と違うと言いますか、ーーー…』
「…何が言いたい?あるならさっさと言え」
煮え切らない物言いに溜まっていた苛立ちが増す。それに今まで口出しなど一切無かった『親衛隊』からの異議の申し立てに、爆発しそうな怒りをすんでの所で抑えた
『は、はい!!私達親衛隊は『総隊長』として彼を敬い信頼しておりますが…、
『諏訪月夜』としての彼も…ですのでーーー』
「お前たちが奴をどう想おうと俺様には関係ない!用件は伝えた、以上だ!!」
電話を切り、抑え切れない怒りをぶつけるように目の前の鏡を叩けばミシリと食い込む拳に痛みが走る。ひび割れたそれに映る自分はやはり情けないままだった
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