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「お、おい、これはまさか」
「そう、駅前で大人気のパン屋、蓬莱屋の至高のカレーパンと、究極のクリームパンよ」
どこかで耳にしたようなネーミングのパンは学校の最寄り駅にあるパン屋で朝から並ばないと買えないという超人気商品だった。
「ふっ、これだから何にも分かっていないやつは」
やれやれ、と薫は欧米人がよくやる様に肩をすくめた。
「オレの行動を食品何かで操れると思っているのか?」
「残念、薫ちゃんの分も買ったのだけど。そうねいらないのならわたしが全部」
「待ってください夕鶴さん。後生だからパンを恵んで」
「いいわよ、その代わり条件がをひとつ」
「なんなりとどうぞ、姐御」
「このベンチで一緒に食べること」
「もちろん、喜んで!」
結局夕鶴に振り回されてばかりの薫。
風紀委員の顔としての夕鶴を見て、驚いて、どこか寂しくなった。そして、演技だと分かった時は少しだけ怒っていたりもしたのだが、そんな負の感情はいつもの夕鶴の笑顔を見て安心したときに吹き飛んでしまっていた。
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