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青年はついに、悪魔を召喚する魔術を見つけるに至った。古本屋で偶然、見つけた一冊の古めかしい本。何かしらの力を秘めていそうな、その本は青年の興味を大きく惹きつけた。本の内容は理解しがたい難解な文字で書かれていたが、魔術について研究してきた青年はそれを読み解くことができた。
青年は本を買いアパートの部屋に戻ると、さっそく悪魔を召喚する準備を行った。畳にシートを敷くと、その上に白線で複雑な魔法陣を描いた。窓には暗幕を張り外の光りをできるだけ遮る。手頃な瓶に調合した薬品を注ぎ入れ、魔法陣の中心にそれを置く。
準備が整うと、青年は魔法陣に向かって念じるようにして呪文を唱えた。
青年が呪文を唱え始めて、すぐに変化は起こった。部屋の明かりは消してあるはずなのに、うっすらと部屋の中が明るくなりだした。その明かりのもとは、すぐに分かった魔法陣と瓶の中身が光っていたのだ。閉めきられているはずの室内で風が巻き起こった。魔法陣がより一層、光り輝き出した。
そして、ついに青年が待っていたことが起こる。真っ黒な煙が、瓶から噴きだしたかと思うと、その中から悪魔が現れた。
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