プロローグ

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 雪椿には鬼が住まう。  懸命に咲く雪椿、葉は雪に埋もれ白に染まっている。  その白から覗く鮮やかな赤い花は、見る者を魅了する。  しかし大多数の人間は……この雪椿を不気味に思う。  雪椿の散り方……それは、人間の首が落ちる時のように、花がまるごと落ちるのだ。  そして白に染まった葉にちょこんと咲く赤い花は飛び散る鮮血と言われてもいる。  雪国でよく見かける花なのだが……見かけた者は立ち止まらずそそくさと逃げるようにその場から立ち去ってしまう。  そして、もうそこへは二度と近寄らない──
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