椿鬼と宮家の少年

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「航輝くん、これは何?」 「これはお菓子だよ!」  航輝は椿鬼の手を引いて近所のスーパーに来ていた。 「航輝くん、でも今日はすき焼きの具材を買うんでしょ?」 「あ、そうだった!」  航輝はお菓子売り場から出る。 「そういえば椿ちゃん、なんでこのメモの内容が読めたの?」  航輝はすごい気になっていた。  椿鬼と出会った時、彼女は航輝が持つぐしゃぐしゃのメモに書かれた文字を見事に読みあてた。 「エネルギーだよ」  椿鬼はニコリと笑い答える。 「……? そうなんだ!」  言葉の意味が分からないまま、航輝は頷き椿鬼の手を引く。 「豆腐と白菜と椎茸とお肉……だよねっ!」 「うんっ!」  スーパーの中を小学生の男女が元気よく駆け抜けていった。
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