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「椿ちゃんありがとう……荷物まで持ってくれて……」
椿の手にはお肉が入った袋が握られていた。
もちろんその他の荷物は航輝が持っている。
「ううん、今日は楽しいこといっぱい教えてもらえたから、お礼だよ!」
航輝と椿鬼は、お互いに空いている手をしっかりと握りあっていた。
しかし幼い航輝は知らなかった。
周りの大人達には……椿鬼が見えていないことに。
航輝が何もない虚空に話しかけていることを訝しく思っていることに。
……お肉の入った袋など、見えていないことに。
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