出逢いは唐突に

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俺が近づいて行っても女の子は気付かないのか興味が無いのか、ずっと俯いてる。 いや、なんか読んでる。真剣な顔で。 下向いてるから髪で顔が隠れてて殆ど見えないんだけど。雰囲気がね、真剣だった。 女の子までの距離があと5mくらいになった時、風が吹いて初めて顔が見えた。 有り得ないくらい可愛い…… これは声を掛けるしかないと!是非お近づきにならなけれはないと!俺の頭の中で誰かが叫びました。 何かの間違いで友達にでもなれれば… そんな軽い気持ちで声を掛けてしまいました。 「ねぇ!き…み…?」 俺の声に反応してこっちを見つめる綺麗な瞳より、綺麗で少し色素の薄い髪より、シミ1つ無い白い肌より、俺は女の子の手元に釘付けになった。 女の子は本を見てた。 ……エロ本読んでた。 朝から通学路の途中で、真剣な顔でエロ本読んでた。
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