Luxuria

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「俺はフレイ=シャドウ。『かなしみ』から生まれた『悲哀の悪魔』だ」 フレイがそう言い終えると、再び部屋に明かりが戻った。 「君は?」 「俺は…」 フレイが名前を尋ねたが、『色欲の悪魔』は小さく首を振った。 「俺にはおまえのような名前は無い。ただのルクスリアだ」 「…じゃあ、俺が付けてあげようか」 「え…?」 『色欲の悪魔』は驚愕の色を顔に浮かべながら、フレイを見上げた。 「じゃあ…ファフニールていうのはどうだ?昔の神話に出てくる名前で、俺と同じ頭文字だ」 「ファフニール…」 「…気に入らないか?」 「…いや」 『色欲の悪魔』は小さく微笑みながら、フレイを見上げた。 「気に入った。…ありがとう」 「じゃあ、改めて…初めまして、ファフニール」 「初めまして、フレイ」 二人は力強い握手をした。 この出会いが二人の運命を大きく変えることなろうとは、その時の二人には知る由もなかった。
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