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「騒がしかったですね…」
シンと静まった食堂に一つの声が響く
他のウエートレスはもう既に片付けが終わり、厨房の中で昼食を取っていることだろう
「…狩谷様と恋人だなんて…おこがましい…」
彼は、二階の柵に手をついて綺麗になった食堂を見下ろす
「全く…そう思いませんか?…狩谷様」
彼が後ろを向くと、食堂を出ていった筈の紅葉が何時もの席で紅茶を飲んでいた
「……別に…興味ない……」
「少しは御自分の噂に耳を傾けたらどうです?…御両親が心配されますよ」
「………親の話をするな馬鹿者…」
「ふふ、失礼」
紅葉は苦虫を噛んだような顔をする
俺にここまで言う奴は両親とこいつとあいつらだけだろう…
そんな紅葉を見て、笑みを深める李雨
「……はあ…」
ため息をつき、外を見る
とても快晴だ
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