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「…誰?…きゃっ!」
―…ザァァァ…
風が吹いてきて思わず目を瞑る。
『―…咲。』
声が聞こえた…気がしたけど風の音で殆ど聞こえづらい。
「…誰、なの?」
「…咲。」
「…あ、」
今度は声がはっきり聞こえた。
ゆっくりと目を開けると、姿が見えてきて…頭の中で色々な思い出が蘇る。
愛しい人だと思い出したら、自然とその人に駆け寄っていた。
「―…鶤!!」
「―…ただいま、咲。」
抱きしめてくれた腕は今も変わらなくて、自然と笑顔になった。
二人の腕の勾玉が光に反射して、静かに揺れた。
―恋翔輪廻―
(貴方のお陰で、私はまた恋をできるのね。)
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