記憶を無くしまして

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ざわざわっ 「…あいつ、いつもと雰囲気違くない?」 「…うん、いつもと様子が違うから気味が悪いよ」 「…まさか僕等を撹乱させようとしてんじゃない…?」 「ってことはこれは奴の作戦?;」 「…あいつ、イかれてるよな」 「…いや、それは元々だと思うよ」 変な空気になった中、左右にいる男たちは騒つき始めた …何言っているかよく聞こえない キョロキョロとその男たちの方を見ると、変な奴を見るような視線を送られた いや、ちょっと待たれよ。 本当のこと言ったまでよ俺は 決してイかれてる子じゃないやいっ← そんな騒ついた中視線を小さな男の子に戻すと… 顔を真っ赤にし身体を小刻みに震わせこれでもかと思うくらい拳を握りしめ 怒りを露にしていた それを見兼ねた左右にいる男たちは一瞬にして黙った あー…これは確実に怒らせたわ; 「ま、前田啓太……冗談で言ってるんだよね。それとも…こ、この僕を馬鹿にしてるの……」 「いやいやいやいや、馬鹿になんかしてませんって;」 「いつもと何か違うし……それは演技かなんかなの?…まさか僕等を、試してんの?」 「そんなことないですよ~;信じて貰いにくい話ですが、今本当に記憶がないんです!!; 怒りが募るところ申し訳ないですが、一旦っ、一旦落ち着きましょっ!!;;」 何故俺は怒りを買われているのかマジで分からない しょうがないじゃないのっ 俺記憶がないんだものっ 目の前にいる貴方が分からないんだものっ… もうさその可愛いお顔で怒らないでおくれよ 怒っててもその顔は可愛いままなんだからさっ← 可愛い小さな男の子に見つめられるのも悪かないけどさ 左右にいる男たちは可愛さが感じられなくて視線がグサグサ刺さるんだけど 最早あれは凶器だな… 目という名の槍で全身をグサグサ刺されてる気分だよ 全身穴だらけだよ
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