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「マジでお願いします!!
記憶がない俺に色々教えて下さいっ!!!」
俺は自分が何者か知りたい
怒りを買うくらい大事をしでかしたというなら、
まずは自分を知って、相手を知って何らかの謝罪やら罪やらを償いたい
俺は頭を下げて頼んだ
が、それから言葉が返って来ない
「……記憶が…ない?……じゃあ、今まで…何のために…っ」
頭を上げると小さな男の子は目を見開き混乱していた
「…ぼ…僕が、あんなに悩んで…悩んで…」
俺の返事には応えず一人頭を抱える小さな男の子
しかもなんか自分の世界に入ってるわ
…俺の目を見てねぇもん
「―――…忠告しに行ったら会長様に嫌われてしまうと思ったから、行くつもりなかったのに……」
小さな声で独り言言い始めちゃったよ
さっきまで怒りが爆発寸前だったのに今はどんどん沈んでってるんだけどっ
「隊長として示しが付かないと思って、……悩んで………挨拶に行ったのにっ…ッ…」
小さな男の子の目は涙が溜まっていた
…………え、ちょっ;
「―――の…ためにも、頑張ったのに゙っ…ッ…ぅ…」
涙を我慢していたであろう小さな男の子はついに泣き出してしまった
「グズッ)…っ…ぅ゙、…ふぅう…ヒック…ふっ…ぅ゙ー…ッ…っ」
「たたたた、隊長っ泣かないで下さいっ!!!;;」
「ああ゙゙ーー;;
擦っちゃ駄目ですって、後が残ってしまいますぅう!!!;;;」
「ハンカチっ!!!;;
誰かっハンカチをーーっ;;」
ボロボロと声を押し殺して泣く小さな男の子に駆け寄りなんとか宥めようとする男たち
「…くそっ!!!;
てめえっ…よくも俺等の隊長をっ」
「俺たちの隊長泣かせるなよっ!!!!」
「謝れよっ!!!!」
そして俺に怒鳴る男たち
……………(゜Д゜;;)
何が万事解決だ
一気に悪者になっちゃたよぉおおお;;
え、何?;俺が悪いの?;
俺がいけないとでも言うのかっ…
自分のことを知ろうと思って聞いただけよ、俺はっ
前の自分が思い出せない、今の自分が分からない
……知らない
だから知ろうとしただけなんだけど
なのに、どうして聞いただけで泣くんだよっ;;
何故、泣いちゃうのよー…
何故、
何故なの…?
「何故なのよおおぉおお;;;;」
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