-壱-

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「あの…手、ほどいてくれませんか?」 さっきから痛いんだけど。 「無理に決まってんだろ、アホか、お前は」 あ、あほって…なんやねん、コイツ。 「何でですか?」 「は?そんなの、お前がなにしだすか分かんないからに決まってんだろ、馬鹿か」 は? コイツ今度は馬鹿っていいやがった。 「どんだけ悪者扱いなんですか…」 ヤバい、若干キレそうだわ… 「…てかここ廊下長くないですか?」 「んあ?あぁ、大所帯だからな。」 そんなに沢山人が住んでんのか…! 「さ、ここだ。入れ。」
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