プロローグ 始まりの邂逅

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アイリはすべてを諦めた表情で、 「すでにこの廃墟に囚われて一週間。食料も尽きましたし、『諦める』しかないですよね」 「アイリッ! しっかりしやがれです! ここで諦めたら―――」 「これでいいんです」 再度そう言ったアイリは扉へと歩み寄る。 嫌な予感がしたシルヴィアは彼女を追いかけるが、 「シルヴィアは生き残ってくださいね」 「―――ッッ!?」 遅かった。 アイリは唯一の扉を開き、 『フーッ。シューッ』 肌に突き刺さるような冷気と共に外にいる青のエネミーが腕を振り上げた。 そして。 アイリを護るため、彼女を押し退けたシルヴィアが見たのは――― ―――後ろから放たれた黒の『砲撃』が青のエネミーを貫いた光景だった。 「ッ!?」 黒の一撃は青の胴を貫き、次いで放たれた連撃によって穴だらけになり、完全に消し飛んだ。 「アイ、リッ! 逃げ―――!?」 振り返ったシルヴィアの表情が驚愕に染まった理由は単純。 アイリは後ろにいる黒のエネミーに肩を脚を胴を『無数の手に掴まれて』身動きすらできない状態だったから。 「なッ―――!!」 「わたしはもう駄目みたいですね」 シルヴィアを安心させるためか、にっこりと微笑んだアイリはこう言った。 「じゃあね、シルヴィア」
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