5人が本棚に入れています
本棚に追加
荷物は剣と訓練用の木刀とお金十万ペタ。
服も軽装で、上にマントを羽織っているとはいえ、夜を外で凌げるような恰好ではない。
まずはギルドへ行ってみようと思い、街に向かった。
活気に溢れている街の中、客引きを無視しながら、ギルドへと向かう。
しばらく歩いていると、『ギルド おもちゃのチャチャチャ』という、
四回建てで、横にもかなりの広さがある建物にたどり着いた。
ギルドを立ち上げた人物のネーミングセンスに違和感を覚えつつ、扉を開く。
「らっしゃい。」
あごひげを生やしたおじさんが、ワイングラスを磨きながら出迎えてくれた。
酒場と受付を兼用しているらしい。
カウンターに座り、周りにはバレないように身分証を見せる。
「実はこういう物だ。周りには内緒で頼むぞ。」
おっさんは一瞬、驚いた顔をしたが、すぐに顔を元に戻す。
「へ、へい…。それで、どういったご用件で?」
「実は、自分磨きのために外の世界で勉強しようと思ってな。このギルドに入りたい。」
「分かりやした…。それでしたら、今日はここの二階にお泊りくだせぇ。
正式な手続きは明日ということで…。」
「分かった。身分のことだが、できるだけ伏せたい。」
「安心してくだせぇ、すべてのギルド員には守秘義務がありやす。
ただ、ギルドマスターにだけは教えなけりゃあなりません。」
「それでいい。まだ寝るのには早いし、ギルドのルールなんかを説明してくれないか。
あと、アンタの名前も知りたい。」
「分かりやした。
あっしの名前はグリム・アイリーン。ここでギルドの受付兼酒場のマスターをしていやす。
まずは、ギルドで組むパーティーのルールを説明させてもらいやす。」
「頼む。」
最初のコメントを投稿しよう!