第一話「ギルドへ」

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「まず、パーティーについてですが、三人一組が決まりでさぁ。 場合によっては、四、五人のパーティーもありえますがね、ほとんどは三人一組でさぁ。 パーティーは基本、『小隊』と呼ばれやす。 ギルドマスターと手合せをして、 バランスを考えてパーティーを決めてもらうもよし、自分でメンバーを集めるもよし、 自由にしてくだせぇ。 ただし、自分でメンバーを集めたときは他のパーティーと手合せをしてもらいやす。」 「何故だ?」 「なに、実力やコンビネーションを見るだけでさぁ。実力に合った任務、依頼をこなしてもらいやす。」 「分かった。」 「次は、任務や依頼に関してですが…ギルドが独立警察の特務部隊も兼ねていることは、ご存じですよね?」 「あぁ。どの国にも属さない警察組織だ。 もともと、ギルドはその末端機関だったと聞いている。」 「その通りでごぜぇやす。もっとも、その末端機関だった時も民間からの依頼を請け負っていたんですが、六十年ほど前、正式に『ギルド』という組織に変わったんでごぜぇやす。 そのため、ギルドでは『任務』と『依頼』に別れていやす。 『任務』ってのは、特務部隊の仕事…これはギルドマスターから事前に通達されるもんで、 主に、要人やその屋敷の警護や護衛、指名手配犯の拿捕が多いでさぁ。 『依頼』ってのは、民間からの要請で動く仕事のことでごぜぇやす。 これは、自分で選ぶことができ、賊、猛獣の退治からキャラバンなどの護衛まで色々。 『任務』には上から『S』『A』『B』『C』『D』『E』のランクがありやして、個人ではなく、パーティーの評価になりやす。 最初の手合せでギルドマスターがランクを決め、『任務』『依頼』の成果を鑑みて、 ギルドマスターがランクアップさせやす。 ランクの他にも序列がありやして、一桁がAランクで、Bが二桁、Cが三桁と、桁が増えるにつれてランクが下がっていきやす。 この序列の順番が『第○○小隊』の数字になりやす。 もっとも、Dランクで四桁と言っても999パーティーいるわけじゃございやせん。 うちのギルドはせいぜい40パーティーくらいで、便利だからそう言われているだけでごぜぇやす。『任務』と『依頼』のこと、お分かりいただけやしたか?」 「あぁ。だいたい。」
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