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1月――。世界中がお正月ムードに包まれていた日から一変。
みんな学校やら仕事やらで忙しくなった今日。
俺は寒い中学校の屋上で昼寝をしていた。
さすがに寒いからだろうか、制服を着ている女子は少なく、皆ジャージを着ていた。
……今の時期にスカートでいるバカはいねぇだろ。
俺がそう思った瞬間……俺の頭上、というか空に大きな黒っぽい光が回りながら現れた。
「きゃぁっ!」
どさっ!
「うわっ!」
悲鳴と同時に黒い光は回るのを止め、何かを俺の上に落として小さくなりながら消えていった。
「いたたた……」
俺の上に落ちてきたのは秋葉原とかにでもいそうな魔女っぽい格好をした女。
まぁ本当に魔女とか魔法とかあるわけ無いけど。
「……なぁ、降りてくれる?」
「ん?あ、ごめん!」
彼女は俺に馬乗り状態。彼女は俺のセリフでやっと気づいたのだろうか頬を赤らめて俺から降りた。
「さっきの何?」
とりあえずコイツの名前より先にさっきの黒い光の事を聞く。
「え、今の?瞬間移動魔法。知らない?」
彼女は頭にハテナを浮かべたような顔をした。
「知るも何も魔法なんてこの世に存在しねぇし。」
「え……ってか、あなた誰?」
「だから魔法なんて……うん。まぁいいや。俺は御影千年。この学校の生徒。」
「学校……ここってどこなの?」
……大丈夫か?コイツ……
「どこって……東京。日本だけど?」
「日本……?ってことは……あなた人間さん?」
「はぁ?お前頭打ったか?あたりまえだろ!」
「へぇー……これが人間……初めて見た!」
「お前も人間だろうが!」
俺がこう言うと彼女は小さな笑みを浮べた。
「違うよ。私は人間じゃないの。……魔女だよ。」
はぁ?やっぱり頭打ったんじゃ……。
「まぁ魔女と人間の間の子なんだけどねー。」
「間の子……?」
「そう、間の子。お父さんが人間でお母さんが魔女。」
「へ、へぇ~……。」
冗談を言ってるようには見えなかった。
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