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《背中から鉛筆が生えている》
そう形容するのが、最も相応しいと言える光景だった。
ニコライ・アンドルポフは、目の前でうつ伏せに倒れている女性の背中に真っ直ぐに突き刺さった、刃渡り20センチ程のナイフの柄をぼんやりと眺めていた。
何の感情も抱かなかったと言えば嘘になるが、ニコライは自身の幼少期からの経験で知っていた。
【人間の死体を見た時には、それを物だと思うべきである】
ということを。
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