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戸川由紀子警部補は、自販機の取り出し口から温かいお汁粉を出すと、上下に思い切りシェイクしてプルトップを開く。
「でー、有井。このヤマってどういう系の事件なの?」
「どういう系と申しますと?」
「例えば、原宿系とか、のぞみ800系とか?
……やだっ!! 何かこれじゃ、あたしがスベっちゃったみたいじゃないの!?
もー、やめてよー!」
「は? はあ~?」
戸川警部補は、深夜だと言うのに、異様にテンションが高かった。
「警部補、何系という表現が似つかわしいかどうかは分かりませんが、いわゆるひとつの殺人事件です」
「マジでー? こんな時間に? こんな遅い時間に?
みんな死んじゃえばいいのにぃ~」
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