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有井刑事は、ちょっとそういう光景が想像出来なかった。
「あたしさー。必ず男に車買わせて、それをあたしが運転するんだよねー」
「ああ、なるほど」
有井納得。
「昔のナビ君が、ホンット使えねーヤツでさ。
そいつの言う通りに、国道走ってたら、いつの間にかコンビニも信号も自販機もないような山道に出ちゃってさ。
国道ならぬ『酷道』(こくどう)だもん! ハハハ……ってそこ、笑うとこー」
「え? そうなんすか?」
「もう! 空気読んでよー。何かまた、あたしがスベッたみたいじゃんかー?」
「ハハッ、ハハハ……」
有井が引き攣った笑い声を上げる。
「ははははははっ……」
周囲で立っている他の刑事達も、申し訳なさそうな愛想笑いをする。
「ったく、みんな死んじゃえばいいのにぃ~」
戸川警部補は、鼻にかかったファニーボイスで悪態をつく。
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