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はぁっ。
いつもいつも、彩子さんには押されっぱなしな気がする。
「さぁ、イトちゃん、食べて食べて!!」
満面の笑顔で、注文したランチセットを指差す彩子さん。
両手を合わせて
「頂きます。」
食べだした私をポカンと見ている遠藤さん。
「どうかされましたか?冷めちゃいますよ?」
「何でもないよ、じゃ、頂きます」
遠藤さんも両手を合わせて食べだした。
「で、いつ結婚式するの?」
食べながら聞く遠藤さん。
「春がいいかな~って話になってるんだよ。一応、式場は3月で予約しようと思ってる。」
結婚とか、式場とか、目の前で話されてることが遠い世界の話みたい。
25歳でまともなお付き合いの経験がないとかって、やっぱ、危機感を感じるかも。
「イトちゃん、さっきから無言で食べ続けてるけど、なんか聞きたいこととかないわけ?」
彩子さんに話をふられてもねぇ。
「う~ん、プロポーズのセリフとか聞いてみたいかも。」
「ブホっ」
澤田さんがむせた。
「それ、聞きたい!!隆、なんて言ったんだ?」
遠藤さんと私が澤田さんを見つめる。
「教えるわけないだろう!!」
「あはは、隆が照れてる!!」
彩子さんはなぜか爆笑。
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