恋の落ち方

３

「リハビリって言うか、私的にはショック療法に近いモノがあったんですけど。」

遠藤さんのことを考えると、最初に思い浮かぶのが、さっきのチョコムース事件だ。

「ああいうことされても、本屋のお兄さんっていうくくりなわけ？」

本屋のお兄さんっていうよりも、あれは遠藤さんっていうくくりな気がするけど、その遠藤さんは本屋のお兄さんと同一人物なわけで。
でも、今まで意識しなかった男の人って目で見るのかな。

「ええと、ちょっと、男の人にああいうことされたのは初めてで、恥ずかしかったんです。」

うんうん、ってこっちを見ながら頷く彩子さん。

恥ずかしい。
この居心地の悪い会話から抜け出す方法が欲しいかも。

と、店員さんの登場！！
ケーキセット！！

「イトちゃん、そんなに嬉しそうな顔をしなくてもケーキは逃げないって。」

苦笑しながら、言う彩子さん。

私はチョコケーキ。彩子さんはモンブラン。
大好きなチョコケーキにしたけど、秋だし、モンブランも良かったな～。

フォークで一口刺して、口に運ぶ。
うん、甘くて美味しい。
ケーキの甘さはご飯を食べた後と言っても別物！！

彩子さんがモンブランを口に運ぶのを見て、やっぱりあれも美味しそうだと思う。