17070人が本棚に入れています
本棚に追加
/1955ページ
「そうだ、さっき、イトちゃんとも言ってたんだけど、二人はどこで何してたの?」
「秘密。」
にっこり笑顔で答える澤田さん。
「えー、ジロさん、教えてよ。どこに行って何をしたの?」
目を輝かせて聞く彩子さんの顔を見た後、隣の澤田さんを見て、二人は何やらアイコンタクト。
「秘密。そのうち隆が教えてくれるから楽しみにしてな。」
と柔らかい笑顔を浮かべた。
「えーっ。知りたいのになぁ。」
と言う彩子さんに今度は澤田さんが聞く。
「で、二人はずっとここで話してたわけ?」
「違うわよ。最初はそこの本屋さんでイトちゃんが本を物色してたのよ。で、その後ここにきたの。」
あわわ、隣に本屋さんがいるのに、本を物色って言ってしまいましたよ、彩子さん。
「へぇ、いい本あった?」
隣から顔をこちら側に向けて聞いてくる遠藤さん。
「はい、ちょっと見ていいなって思ったんで月曜日に遠藤書店さんに注文しに行きます。」
「って、そこに売ってたのに欲しい本を買わなかったの?」
「いいじゃないですか。」
小さく答える。
「いいけど、なんで今、買わなかったの?」
「同じ商店街の一員として、商店街で扱ってるモノは商店街で買うって決めてるんだ。」
と言った後、一呼吸置いて
「って言った人がいて。」
と、遠藤さんの顔を見る。
遠藤さんが嬉しそうな顔をしてる。
「月曜日ね。親父に言っておくよ。イトちゃんくるって。」
「言わなくてもいいです。もともと月曜日は行く日ですから。」
「あっ、そうなんだ。」
「はい、月曜日は週刊漫画の日なんで。」
最初のコメントを投稿しよう!