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「何?イトちゃんって、漫画雑誌読むの?」
これは澤田さん。
「はい、もともと、父が昔から買って読んでて、兄も母も私も一緒に回し読みしてたんです。」
「イトちゃんって、小説とか少女漫画のイメージなのに、意外だな~。」
「澤田さんの私に対するイメージってなんですか。週刊漫画雑誌を毎週3誌愛読してますけど。」
「しかも、3誌もか!!で、それを毎週遠藤書店に買いに行ってると。次郎、知ってたか?」
こっちを向いてびっくりした顔をした遠藤さん。
えっ?知らなかったのかな。
「いや、初めて知った。って言うか本業が本屋なのは親父だから知る由もない。」
「えっ?遠藤さんって、本屋さんじゃないんですか?」
今度は私が驚かされる番だ。
「違うよ。たまに手伝いとか荷物を取りに行かされるってだけ。そっか、この前、荷物を取りに行ったときはお盆休みで家にいたから島田商会に荷物を取りに行ったんだよ。」
「そう言われてみると、お店にいるのはマスターとママばかりですもんね。」
「マスターとママって何?」
笑いながら聞いてきたのは彩子さん。
「イトちゃん、あの二人の戯言に付き合ってそんな呼び方してるの?」
遠藤さんがあちゃーって顔をする。
「戯言って、みんなそう呼んでますよ。」
笑いながら答えるとますます眉間に皺を寄せる。
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