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「ご飯って、どこですか?」
「ここのレストラン街にパスタ屋さんあるの知ってる?」
「はい」
元彼と来ました、5年前に。と心の中でだけ返事する。
「そこに隆を待たせてるから。」
「あの、恋人同士の空間にお邪魔したくないんですけど」
澤田隆さんは、彩子さんの3歳年上の彼氏だ。
大学の先輩で、もうずっと付き合ってる。
「隆だけじゃないから」
「へっ?」
「いいじゃない、行けばわかるから」
「知らない人とご飯って、本当に遠慮したいです。」
「却下♪」
帰ろうと体の向きを変えようとしたら、その前に腕を掴まれた。
「彩子さん、勘弁してください。」
「大丈夫、それに、イトちゃんにお願いしたいこともあるし。」
「お願いってなんですか。」
「だからご飯食べながら話すから。」
強引にパスタ屋さんに連行される。
「彩子さん、けっこう並んでません?」
「うん、隆達どこだろう?」
私の腕を掴んだままズンズン前に進んで行く。
「あっ、もう席に座ってる。プッ。」
入り口で奥の席を見た彩子さんが笑った訳は・・・
「あっ、ふふっ。」
店員さんに連れが中にいると言って、案内される。
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