友達......だろ?

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「あー悪い」 つーかやばいな、まずいな。 言っちまったよ。 絶対なんか言われる。 「坂田、お前さっき……」 「っあーなんか腹痛いかも、ちょっとトイレ行ってくる」 訝しげにじっと見つめられるのに耐えられず、思わず席を立つ。 トイレに入ったはいいが、どうしたらいいものか。 便座に座って手を額に当てる姿はさながら考える人だな、と苦笑する。 あーーどうしようか。いっそ言ってしまうか。いやでもあいつ絶対俺の事親友だと思ってるだろ。 え、何これ嬉しいの、悲しいの。分かんね。 つかそろそろ出ていかないと俺怪しくね?マジで腹壊したと思われてんじゃね?じゃあどうすんの、冗談にする?それでいいのか、俺 「坂田ぁー。大丈夫か?」 「うぉっ!??ぉ、だいじょぶだいじょぶ」 「あんま長いから寝てんじゃねーかと思って」 「あーすぐ行くから、部屋で待ってろよ。トイレまで来るとかお前どんだけ俺のこと好きなんだよ」 ドア越しに聞こえるのほほんとした声に、これほど驚かされることはかつて無かっただろう。 思わず立ち上がった拍子に、予備に積んであったトイレットペーパーの山が崩れ落ちる。 頭が真っ白で、自分が何を言おうと思ってたとか、今何を言ってるとか、全っ然分からない。 荒木は、今、どんな顔をしてるんだろう。 「…なんかいつもと違うお前が心配で、こうしてトイレの前まで来るくらいには好きだけど」 「っ!」 何それ、反則。 拗ねた様な声が聞こえる。俺の事、本当に心配してくれてるのが伝わる。 残酷な程に、胸が痛い。 「…マジで。熱烈な愛の告白さんきゅ。…」 …俺も。って呟けるのは心の中だけ。 「………よしっ!待たせたな!エロい声で柔軟する荒木くん!」 「……。水流せよ」 「仕様だろ」 一息ついて、勢い良くドアを開ける。 なんだか良く分からないけど、そういう意味で荒木を困らせたくない。 「つかエロくねーし」 「反応遅い」 「……坂田」 「ん?」 「何かあったら、言えよ。…親友だろ」 「…まぁな!荒木は親友の俺が大好きだもんな! …ありがと」 今は、これでいいかな。 あくまでも今は、だけどな。 -end
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