御影 美香の料理教室

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突然だが、調理実習というイベントをどう思う? まぁその答えは人それぞれだろうが、俺は嫌いだ。 といっても、俺は別に料理が苦手な訳ではない。むしろその辺の奴よりは上手いという自信すらある。 俺が調理実習を嫌う理由は、何で皆と一緒に一つの料理を作らないといけないのかがわからないからだ。 だって考えてみろよ、皆の母ちゃんだって一人で料理を作るだろ? そもそも、何故俺がこんなことを考え始めたのかというと、俺の手元に調理実習事前シートなる紙が配られたからだ。 調理実習を翌日に控えた今日、前に書いておいた事前シートを見て材料を揃えられるように配ったらしいが、そのせいでクラスは大騒ぎになっていた。 「お前何作るんだよ~」 「あーし肉じゃがなんだけど、ちょっとマジ家庭的じゃね!?」 「やべー!マジ家庭的なんだけど!」 「ホント、マジリスペクトだわ~」 俺が調理実習を嫌うもう一つの理由が、リア充共がいつも以上に喚き散らすからだ。 普段うるさいのに更に騒がれたらもう耐えられない。今すぐ引っ越すべきだ。 例えばそこの3人組。 何だよちょっとマジって、ちょっとなのかマジなのかわかんねえよ。それとマジリスペクトって、アンタはラッパーかよ。 言いたい事(9割悪口)が山ほどあるが、教卓に桐島先生が立ったので俺はそちらを見ることにした。 「では、全員明日の準備はしっかりして来ること。忘れ物したら退学、以上だ」 先生は決め台詞を残すと、颯爽と教室を出て行く。俺も退学にならないよう、真面目に部活に向かうことにした。
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