御影 美香の料理教室

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俺の通っている如月高校は、教室や学食のある学習棟、体育館兼集会用ホールの体育棟、部室が集められている部活棟の三つの建物とグラウンドで構成されている。 ここからは余談だが、その中でも部活棟は生徒達によって3つのカテゴリーに分けられており、下から順に運動階、文学階、そして珍階となっている。 これは如月高校がマンモス校であるが故の事で、様々な部活を種類別に各階に配置したらそう呼ばれるようになったとか。 俺はその中の珍階にあるボラ部の前で立ち止まり、二回ノックして部室の扉を開く。すると何かを食べていたらしい、リスの様に頬が膨らんでいる夕凪と目が合った。 「よう、何食ってんだ…?」 「んぐぐ…」 夕凪はフルーツオレを飲んで流し込むと、ふぅっと溜め息をついた。 「サンドイッチ食べてた…」 「サンドイッチね…。それより、依頼は来たか?」 「来てない…けど、多分この後来る」 「この後?」 一体何を根拠に?そう思っていると、夕凪がまたしてもソファーのクッションから紙を取り出した。 それは調理実習事前シートだった。 「これ、調理実習前なら料理が苦手な生徒が必ず来る…」 「そういうことか…。というかお前、同じ学年だったんだな。何組だ?」 「A組、でも授業は出てない」 「は?」 授業は出てない? 俺には夕凪の言ってる意味がわからなかった。
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