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夜になり、終はハガキ片手にしてクラス会があるお店まで探しながらやって来た。
「ここだ。」
店の看板には、栃木第二中学3年A組同窓会の為貸し切りとさせていただきます。と書かれていた。
「なんかドキドキすんなー。」
終は扉を開け中を覗いた。すると、反対側の道から恵子もハガキ片手にやって来た。
終は気配に気づき後ろを振り向いた。
「あ!」
「え?」
「麻生さん!?麻生恵子さんでしょ?」
「はい。」
「あぁ、山崎、山崎終!」
「あ、あぁ~!どうも。」
「どうも。本当に思い出しました?今。」
「え?」
「あ、いやなんでも。ハッ、いや~変わらないね。うん。」
「入んないの?」
「え?あ、入るよ。どうぞ。」
終は扉を開け恵子を先に入れさせた。
「ありがとう。」
中にはもうほとんどの人が来ていた。
「恵子!」
3人の女子が恵子の周りに集まってきた。
「久しぶりー!」
「ちょっと、行こ!」
と恵子は引っ張るように連れて行かれた。
「おぉ~!」
終はたくさん集まっているのを見て思わず笑った。
「よぉ!」
「お!」
目線が終の方だったので手を挙げたが、終でなく後から来た奴に対してだった。
結局誰にも話しかけられなかったがとりあえず、中へ入った。
「恵子やっぱ綺麗だよね~。流石だね、二中のアイドルだったもんね~。」
「そんなことないってー。」
「そんなことあるって、私なんてずっと憧れてたんだよ。」
「もう、そんなことないって。」
「あるある。だって完璧だったもん恵子。勉強できてさ、可愛くてさ、んでもって性格もよくてさー!」
「あんたと正反対じゃん!」
「そうそう・・・って、どういう意味それ。」
みんなは爆笑した。
「ねぇねぇねぇ、恵子ー今何してんの?」
「あ、、OL。食品関係なんだけど、広報みたいな仕事。秘書的な部分もあったりして。」
「やっぱ、凄いわねー!」
「私なんか、実家の弁当屋。」
恵子たちは、みんな盛り上がっていた。
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