運命を変えた夜[後篇]

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「自慢だよねー!同級生がモデルなんて。」 「私、今日絶対番号聞こうっと。」 その会話をトイレの個室に入っていた琴美は聞いていた。琴美はまだ暗いままだった。 「お世話になりました。」 「ありがとうございました。」 「さて、行こうか。」 「うん。」 幹事だった樋口と、司会を手伝った恵子はお店にお金を払いお礼を言った。 「あ、今日楽しかった?」 「うん、楽しかった。」 「そっか。」 トイレから琴美が出てきた。 「あ。。」 「あれ、まだいたの?」 「うん。」 「行こ!」 恵子は琴美を手招きした。すると、終もこの店に戻ってきた。 「あ。」 「どうしたの?」 「いやーあの、忘れ物をしちゃって・・・」 「あぁ。」 「あー!これだ。ちょっと親父に頼まれちゃって。」 「クラス会、初参加の4人だね。」 ここにいる、3人と自分も含めてそう言った。 「そうなの?」 「康平も?」 「え、なのに幹事?」 「うん。」 4人は店を出て、ゆっくり歩き出した。 「なんか、不思議だね。大人になってこうしてんのって。」 「そうだなー。」 「あ、あのー俺のことって覚えてます?」 終は恵子に尋ねた。 「えぇ、あぁ・・・うん、なんとなく。。」 「なんと・・・なく。」 「私、覚えてる。山崎終くんはいっつも、いるんだかいないんだか分かんない感じで。でも、いっつもニコニコしてて、なんか不思議な人だなーって思ってた。」 「え、不思議って・・・俺が?」 「うん。」 「あぁー初めてだな~、そんなこと言われんの。」 「そう?」 「うん。」 「馬鹿なんじゃないかとも思った。」 「あれ。」 恵子と琴美はその反応に笑った。つられて終も笑った。 「なぁ、行ってみない?」
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