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4人は2次会の場所ではなく、母校の栃木第二中学校にやって来た。
「うっわー!懐かしいー!」
「ホントだー。」
いい意味でまったく当時と変わり映えのない学校だった。皆が懐かしんでると、樋口は門を飛び越えて先に入って行った。
恵子はどこから入ろうか迷った様子だった。
「あ、乗って。」
終はそれを見かねて手と膝をついて、自ら土台になった。
「あ、見ないから。大丈夫。」
すると門が開く音がした。
「あ、開いてた。」
恵子が開けると琴美も一緒に入って行った。
「開いてた。。」
4人は夜の校舎に忍び足で歩いて。
「ドキドキするね。。」
体育館まで辿り着いた4人はバスケをし始めた。
「行くよ!」
終の合図で始まった。
[僕はとても嬉しかった。4人で一緒にこうしていることが嬉しくて仕方なかった。相変わらずカッコいい樋口康平、かわいい麻生恵子さん、そしてみんなにブスなんて言われてた大場琴美さんがガラッと変身してしまったことも、なんだか嬉しかったんだ。世界は愛に満ちてるじゃん、捨てたもんじゃないじゃんなんて、呑気のそう思っていた。]
みんな、何もかも忘れて夢中でバスケを楽しんだ。そして、最後のシュートを終が決めた。
体育館を出た後は、再び校舎内に戻り職員室からバレない様にかがんで先に進んだ。
懐かしみながら階段を上りようやく自分たちが過ごしていた3年A組に辿り着いた。
「おぉーここだ、ここ。」
「こんな小さかったっけー?」
「そうだなー。」
琴美はゆっくりと自分が当時座っていた席に近づいた。
「私ここだった。」
「私ここだ。」
「俺はここだ。」
琴美が座ったので恵子も、樋口も座った。
「俺は、、ここですねー。」
そして、最後に終も座った。
「え!?いたっけ?」
終が恵子の斜め右後ろの席だたっことに驚いた。
「いました。」
「ごめん。」
「あ、いえ。」
4人は前の黒板をじーっと見て、それぞれ思い浸ってた。
「結局ここにいた頃が一番幸せだったのかなー。」
「え?」
「なんか、以外。」
「何が?」
「だって恵子がそんなこと言うなんて。」
「うん。」
「私にとっては、麻生恵子さんは幸せな人の代表だったの。あんな風に生まれてきたかったなーって、ずっと思ってたし。」
「ずっとそんな風には生きていられないよ。」
「なんで?」
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