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「高校3年の時にモデルにスカウトされたの。もう私嬉しくて嬉しくて、だって’ブスは黙ってろ’とか言われてた私がモデルだよ?それで調子に乗っちゃって高校も辞めちゃったんだ。でもね、全然ダメ。本当に綺麗な人ばっりだし、顔だけじゃなくてなにもかも。その中で私は、その他大勢。しかも仕事が全然好きじゃないの。好きになれないし、私を見って気にもならない。でも、他にやることもないし、才能ないって言われながらもダラダラ続けてるの。・・・フッ、もう全然ダメ。」
「そうなんだ。」
「でも、なんか不思議だね。なんでこんな喋ってんだろ、、私。」
「クラス会だからかな?」
「うん、そうかもね」
「山崎終くん。」
琴美にはい、次みたいな感じでふられた。
「え?」
「俺?俺は・・・・・話すようなこととかなくて今大学に通ってるんだけど、まあ誰も知らないような大学でこの先どうなるのかなー俺はと思うとやりきれないというか、自分の目標とかしたいこともないし。麻生さんや大場さんみたいに語るようなストーリーもドラマチックな出来事とかもなくて羨ましいなーっていうのもあれだけど、今話聞いて凄いなーって思ってさ。」
「何それ。」
「いや、何って・・・あ!俺の兄貴覚えてます?山崎始。」
「うん。」
「有名だったもんね。」
「あの、兄貴は子供の頃から凄く面白い人で、今だって何もしないでフラフラしてるんだけど、なんかカッコいいんですよねー。でね母親は俺に向かって’あんたはつまんないやつね’って言うんですよ。別に何も迷惑かけてないし、、これでも一応兄貴があんなだから俺ももうちょっとしっかりしないとなってバランスとってるつもりなんですけど、つまんないって言われちゃうんですよねー。
うん、子供のころも成績はいっつもオール3でそれ見て母親は’ホントつまんない通信簿ね’って。そんなこと言ったってね、」
「そういうこと言われてもね。」
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