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琴美はお昼ごはんを彼氏の竹内春樹と食べに来ていた。
「私のどこが好きですか?」
「え?」
「どこが好きですか?」
「どうしたの?急に。」
「いえ、なんか。。」
琴美はさっきのことで落ち込んでいた。
「ほら、歩いてる人がみんな見てるよ。」
確かに、男女問わずこちらを見て可愛いと言っていた。
「ね?」
「そういう、、」
「ん?」
「いえ。。」
「前に代官山でカフェやってた奴が言ってたんだけど、こういう目立つ所には綺麗な女性客を案内するらしいよ。その方が店の格も上がるし、売り上げにも影響あるらしい。まぁ、分かるけどね。琴美ちゃんと一緒にいると気分がいいんだ。男はみんな俺のことうらやましそうに見るしね。」
「そんな(照)」
その時、竹内の電話が鳴った。
「ちょっと、ごめんね。」
そう言って、席を外した。
「中身なんてどうでもいいの?」
琴美は、本音をボソッと呟いた。そして、かばんの中からクラス会のはがきを取り出した。
すると歩道で、太った女子が男2人にぶつかりこけてしまった。
「どこみて歩いてんだ!ブス!」
その子は俯いてしまった。琴美はその男を睨むかのように見ていた。なぜなら、琴美も今日行われるクラス会のクラスでブスといじめられていたのだ。
「大丈夫?」
「あ、ありがとうございます。。」
琴美は放っておけず話しかけたが、その子は足早に去って行った。
「あのー、中林さんちゃんと持ってます?」
終と中林は長い階段の中、中林が先頭なってソファーを運んでいた。
「持ってるよー。」
片手で持っていた、明らかに力を入れてない
「本当かな。。」
後ろの終は明らかにしんどそうだった。
「本当だって。でもさ、不毛な仕事だよねー。なんでこんな風になっちゃったかなー。やっぱ不況のせいだよなー。」
「あのー、そんなことよりもこれ前後じゃなくて横に持ってた方が・・・」
「いいってこれで。これであの給料だもんなー。」
口は一人前である。
「何言ってんですか、これで一生懸命食ってる人だっているんすよ。」
「分かってるよ、そんなこと。」
「え?」
「つまんないこと言うなー、君。」
「もうやだ、代わってください。」
終はソファーを置いて、中林の方に行った。
「いいよ、いいよ。俺まだ新人だから。」
「良くないです、代わってください。はい、代わってください。」
終は中林を無理やり押しのけその位置に立った。
「分かりましたよ~。」
ひにくれた言い方で、終の位置へと行った。
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