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「クラス会ね~。」
終と中林はお昼休憩で、ごはんを食べていた。
「はい。」
「クラス会ね~、俺はもう行かないんだろうなー、クラス会。」
「なんでですか?」
「これじゃあ、もう行けないよ。」
ラビット運輸の名札を触りながら言った。
「はぁ?そんなの関係ないじゃないですか。そういう現実を忘れて昔の仲間と会うためのもんなんじゃないですか?」
「フフフ。青いね、甘いね。クラス会なんてね自慢のし合いと嘘のつきっこ、そういうもんだよ。所詮一晩の夢。ま、君くらいの年じゃまだそこまではいかないだろうけど、その内分かるよ。」
「はぁ。」
すると、トラックのラジオから1つの曲が流れてきた。
「この歌知ってる?」
「・・・あぁ、聞いたことは。」
「悲しい歌なんだよね。California Dream'nっていうタイトルなんだけど、カリフォルニアに主人公は行ったことないんだ。自分はずっと寒いとこにいてさ、カリフォルニアはきっとあったかいとこなんだろうな~、いいとこなんだろうな~って。でも自分がこの場所を動かないことを分かってる。そういう歌なんだ。」
「へぇ~。」
「フッ、そういうもんかもなー。カリフォルニアか~、海外旅行なんてもう行かないんだろうな~俺は。」
終は、中林を見た。
「そんな時計しててよく言うよって思ったでしょ?」
「いや。」
すぐ視線をそらした。
「結婚する時、かみさんとペアで買ったんだ。俺の最後の夢のカケラ。。」
「行けますよ。カリフォルニア、、行けますよきっと。」
「山崎君て、ほんとつまんないね。」
期待していた言葉と中林の表情が全く違い、終は何とも言えない顔をした。
「クラス会か~。あ、昔好きだった子とかに会ったりするとさ」
「はい!」
「がっかりしたりすんだよね。。」
中林が言う事は全て否定的だった。
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