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未だうとうとと眠たそうにしているジョンは頭を掻くと、
「……アイムスリーピィ」
ユリアナは笑顔で勢いよくジョンの頭を叩いた。
「私の講義で眠るだなんて良い度胸しているわね。もう一発いっとこうか?」
「オウ、マイガッ!」
そう答えたジョンにもう一発叩くユリアナであった。
一息ついて。
「それじゃあ、そろそろ試験内容について話しましょうか」
受験者全員が固唾を呑む中、ユリアナはこうきっぱりと告げた。
「試験内容は至って簡単。これから一時間の間に誰か私に一撃でも攻撃を当てる事が出来たら、その場で全員入学を認めるわ」
「「え? それだけ?」」
ジョンはガッツポーズ、リシェルは微笑みながらエースの手にハイタッチ。他二人も笑みを隠せずにいる。しかし、エースだけは微妙な顔を浮かべていた。
「えぇ、それだけよ。ただ」
その場にいた全員の視線がただ一点ユリアナに向けられる。
「ただ、私も攻撃が当たらないように魔術を用いて対処するからそこの所は我慢してね。そして、もし私の魔術で貴方達が戦えない状態になるような事があれば、そこで失格とみなし、病院へと強制的に搬送するから」
言ったユリアナは目つきを鋭くさせて足元に魔法陣を展開させる。
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