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皆、それぞれ目つきが変わり、戦闘態勢を取ると、
「じゃあ、始めるわ」
そう言ったユリアナは彼らの目の前から一瞬にして消え去った。
「!!」
どこだ、どこだ、と周囲を確認する一同。ただ一人エースは冷静だった。
「上だ、お前ら!」
空中高く飛び上がっている女性が一人、ユリアナだ。
ユリアナは一瞬で約百メートルの高さまで跳び上がると、高速で地上へと降り、近くのビル屋上に着いた。
「貴方達、もう試験は始まっているのよ。早く準備をしな――」
その言葉は一つの現象により遮られる。爆発だ。
感圧起爆方式をとった爆弾、地雷による爆発。昔の技術ではヘリや地雷接地車両を必要としたが現代の魔術を用いれば地雷接地など魔力さえあれば容易く設置可能である。
屋上に設置されていた地雷の数は三つ程度、一つの起爆がまた一つの起爆を生み、爆発はユリアナの全身と共に屋上のほとんどを吹き飛ばし、砂塵、煙を生み出した。
「あの爆発は……」
……一体なんだ?
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