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銃口から放たれる銃弾は淡い光りを生み出しながらユリアナを襲った。
地面へと薬莢が虚しく落ち続ける中、機関銃は七・六二×五一ミリの銃弾を一秒に二五発の速さで撃ち続ける。
「俺は例え科学技術によって作られた物が魔術に通じないとしても科学技術を信じ、この機関銃を使い続ける」
機関銃は百発撃ち終わると、また直ぐに百発銃弾を装填し自動発射を行うフルオートマシンガンである。
ジョンは機関銃と体中に展開させている銃弾を持っているだけで相手を駆逐するまで自動的に装填発射させる仕組みだ。これが現代における銃機関技術の最高峰だ。
しかし、何発も銃弾が放たれるも全てユリアナの目の前で弾かれた。これがユリアナの使う防御魔術の一端だ。
「いい加減諦めたらどうかしら、レイモンド君。貴方があの五人の中で唯一基本の空中浮遊魔術しか使えない時点で私に攻撃なんて当てられる訳がないでしょう。私は初めから貴方に期待も何も抱いてないわ。今回は他の四人に任せて」
「煩い、煩い、煩い。俺はアメリカ軍人だ。敵を前に背を向けることは出来ん。この機関銃がある限り、俺は諦めない」
全銃弾数千発もの銃弾が全て放たれ無音が、銃口からは煙が立ち昇っていた。
無残に足元に落ちた薬莢はカラカラと音を立て、屋上を転がる。
「クソヤロウ!」
レイモンドは憤りを感じ、両手で持つ機関銃を投げ捨てた。
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