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「リシェルさん。私が名前を呼ぶ前に返事は止めた方が良いわ。後、私に喧嘩は売らない方が良いわよ。後で後悔するから」
……こういう強気な子程大した事はないけれど、魔術アカデミー成績第二位は伊達じゃないものね。厄介だわ。
考え込むユリアナであった。
「Yes、了解です」
一息ついて。
「じゃあ、次は魔術アカデミー成績一位のエース・シュナイド君ね」
「……」
エースは何かを考えている最中らしく、ユリアナの言葉に答えない。
「兄さん、呼ばれてますよ」
エースの妹リシェルは、考え込むエースの肩を掴み、揺らす。
二、三回揺らしてようやく気付く。
「……Yes、何でしょうか?」
エースは目を何度も瞬きさせ、周囲を見渡した。
「君がエース君で間違いないのね?」
ユリアナは薄目でエースを睨みながら問うた。
「Yes。俺がシュナイド家第六代目当主、エース・シュナイドです。得意魔術は移動魔術です。で、いつ試験を始めますか? 早急に試験を始めて頂きたいのですが……」
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