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翌朝、私は頬を撫でる風によって目が覚めた。
意識の覚醒を感じながら、まだしばらく瞼を閉じたまま寝転がる。
窓から入ってくる風が前髪を揺らし、気持ちいい。
ずっとこうしていたかったが、そういう訳にもいかないので、起き上がった。
シレネは立ち上がり、うーん、と伸びをする。
自分の腰まである長い髪が揺れた。
その感触に少し違和感を感じ、頭に手を当てる。
「…うわぁ…」
立派な寝癖があった。
私は、寝癖ができやすい髪をしているが、こんなに大きいのができたのは久し振りだ。
尚更このままでいるわけにいかず、足早に部屋を出る。
顔を洗うためだ。
今日は寝癖を直すということもあるが。
その途中にある窓から外を眺める。
そこには、雄大な景色が広がっている。
大きな山脈に、いくつもの丘や広がった野原。
見慣れた景色。
私の日常である。
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